自分の体細胞 毛髪再生

自分の体細胞から毛髪を再生する方法

フィナステリド内服「プロペシア錠」の飲む育毛剤はAGA(男性型脱毛症)に役に立っていますが、フィナステリドでも改善できない、薄毛になってからかなりの時間がたってしまった晩期のAGAや、他の原因で起こる脱毛症にはいまだ治療法がありません。

毛髪再生医療について

そこで考えられたのが、自分の体細胞から最終分化する前の幹細胞を取り出して培養し、増やすという組織再生医療です。

どの臓器にも幹細胞は存在します。毛の元になる細胞は、毛包の下部にある、毛乳頭部分の「パピラ細胞」と、毛包の皮脂腺付着部のバルジ領域にある「表皮幹細胞」です。

この二種類の細胞を取り出して、それぞれ培養し増やして皮膚に移植すれば、毛包が誘導され毛が生えるという理論です。

日本では、バイオベンチャー企業の株式会社フェニックスバイオが、欧米では英国のインターサイテックス社、米国のアデランス・リサーチ・インスティチュート社が毛髪再生医療の研究を行っています。

では、研究の現状はどうかというと、培養したパピラ細胞と表皮幹細胞を頭皮に移植すると本物の毛が生えます。

この方法は、前広島大学理学部生物学教授・吉里勝利先生が考案した方法で、「毛包細胞移植法」(FUCT)と呼んでいます。

少量の皮膚を採取し、毛包からパピラ細胞と表皮幹細胞を分離・培養し、患者さんの毛のない部分に移植する方法です。

しかし、再生した毛はまだ細く短いものです。ですから、現状では患者さんに使えるシロモノにはなっていません。

今後は「いかに、太く長い毛にするか」が研究の主眼となっていくでしょう。
もし、毛髪再生医療が完成すれば、やけどで髪がなくなった人や、生まれつき毛が生えない先天的無毛症、重症のAGA、その他もろもろの人びとにとって夢の治療となることでしょう。